| 透明になる薬 |
今日、男は暇だった。外を見ると骨董市のようなものをしていた。
「暇つぶしに」
男は一通り見て回った後、最後に目立たない店を見つけて、入った。男には興味のないような店だったが、何かひきつけられるものがあったのだ。みていると、赤い粉の入ったビンを見つけた。
「これは何だろう」
「それは透明になる薬です」
「それはおもしろそうだね。本当に透明になるのか。…いくら?」
その店の男が口にした額はその男に払えないほどに高くはなかった。
「買おうかな」
「ありがとうございます」
男はその場でその薬を飲んだ。3分ほどたっただろうか、しだいにその効果が現れはじめた。
「ん、何も見えない。失明する薬か?だましたな。」
「いいえ、とんでもない。だましてなんかいません。それはあなたが透明になるのではなく、周りが透明になる薬です」
「えっ。でもこれじゃ家に帰ることもできないよ。戻す薬はないのかい。」
「ないこともないですが、少し高いです…」