ハッピー・エンド

俺の名前はカイ。あのレオの兄だ。弟はばかだよ、妖精なんてものを本気で信じてた。そんなものいないにきまってるのにさ。俺はレオみたいな不幸な主人公は演じない。絶対に、ハッピー・エンドにしてやるんだ。
 プルルルル プルルルル…
「はい」
「タスケテ、絶滅シソウデス」
そこまでで電話は切れた。
俺は散歩に出た。俺の夢は、宇宙人に会うことだ。宇宙人は絶対にいるのさ。
何だろう、むこうのほうが騒がしい。
「あっ。あれは」
宇宙人だ!
「おーい、おーい」
俺はよんでみた。辺りの人々は逃げまどっている。逃げている1人が俺に何か言ったようだが、俺は気にしないだろう。
「危ない!きみ食われるぞ」
宇宙人が降りてきた。やっぱり宇宙人はいたんだ。どうだ、弟。
俺はハッピー・エンドだ!
「ショクリョウ、発見」
「コレデ ワレワレハ絶滅シナクテスム」
「ハイ、ワタシノ妻モキット喜ビマス」
「コノ人間ハワレラヲスクッテクレル」
「英雄デスネ…」
なんだ、俺は食料にされるのか。電話の声は宇宙人だったのか。
食料がなくて絶滅しそうだったのか。
まあいい、俺は宇宙人の英雄だ。弟よりはいい死に方だろ?
だから俺なりに、これもハッピー・エンドだよ。